濃度・オブ・ザ・リングBACK NUMBER
「路上プロレス in 東京ドーム」大成功。
DDTがブチ上げた“本気のデタラメさ”。
posted2017/06/04 08:00
text by
橋本宗洋Norihiro Hashimoto
photograph by
Norihiro Hashimoto
今年3月、旗揚げ20周年記念のさいたまスーパーアリーナ大会を成功させたDDTが、ついに東京ドーム進出を果たした。しかし、これは普通のドーム大会ではなかった。
6月1日に行なわれたのは、DDTの“大社長”高木三四郎vs.鈴木みのるの1試合のみ。試合形式は東京ドーム全域を使った路上プロレスである。
リングを使わず、書店やキャンプ場、工場などどんな場所でも闘う「路上プロレス」はDDTのお家芸だ。それをドームでやろうというのだから、むしろ普通の興行よりも“らしい”と言える。東京ドームのリングで闘った選手はたくさんいるが、東京ドームのマウンドとブルペンとスタンド席で闘ったのは高木と鈴木が初めてだろう。
アジャが国歌独唱、天龍登場、最後はホームベースで!
試合は両者がマウンド上で睨み合う中、アジャコングによる国歌独唱でスタート。
ワキ固めを極められた高木がファーストベースにタッチすると「セーフ」としてブレイクになり、スタンド上段でビールの売り子(赤井沙希)と激突し、場内清掃のバイト中だった“デスマッチのカリスマ”葛西純がラダー上からのスプラッシュ(ボディプレス)でテーブルを破壊する。
ブルペンでは元野球少年の石井慧介と中津良太が投球練習中。再びフィールドに戻ると、なぜか待ち構えていた里村明衣子が勝負を挑む。それも野球の。高木が空振りして代打・鈴木。ビーンボールからマチャアキ・井上順ばりの両軍大乱闘となり、場内アナウンスで天龍源一郎が止めるものの、滑舌とドーム特有の音の反響で何を言っているか分からない。
最後は鈴木がホームベース上でゴッチ式パイルドライバーを決め、33分54秒にわたる闘いが終わった。
試合前、高木は「DDTの総力をぶつける」と言っていたが、実際にDDTグループ全団体から選手が登場し(東京女子プロレスからも滝川あずさがウグイス嬢として参加)、アジャ、里村、葛西など縁の深い大物ゲストも。シングルマッチ1試合なのに、やけに豪華なのだった。