プロ野球亭日乗BACK NUMBER
さよなら“高知のマニー・ラミレス”!
野球が大好きな男の奇跡の2カ月。
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph byKyodo News
posted2017/06/02 10:50
足の怪我(肉離れ)があった、45歳(イチローより1歳年上)だった、年俸も数百万円だった……それでも野球をやりたかったということ。
打率4割6分、3本塁打、20打点という成績を残した。
スイングスピードは往年に比べると遅くなってはいるが、本塁打の打席でも、右前にパチンとはじき返した最終打席でも、とにかく頭が微動だにぜず軸がしっかりしているのはさすがだ。
「バットにボールが当たった時の力の伝え方がうまいからボールが飛ぶ」
こう評したのは駒田徳広監督だった。
だからスイングスピードが多少遅くても、140キロ前後のボールであれば、しっかり結果を残して長打も出る。
前期成績は規定打席には満たないものの18試合の出場で63打数29安打の打率4割6分、3本塁打、20打点。この内容も結果も当然といえば当然のものだったわけだ。
高年齢、ドーピング違反等で獲得に動く球団が無い!?
「2013年から最近まで野球をやっていなかったが、やるからには少しでも高いレベルを目指したい」
試合後の囲み取材でNPBへの挑戦の可能性を問われたマニーはこう語った。
ただ、スイングスピードの衰えはやはり否定できず、150キロ前後のボールにはおそらくついていくのは難しいだろう。加えて過去のドーピング違反などもあり、獲得に動く球団は皆無なのが現実だ。
ただ、マニーの美しいスイングを実際に見てしまうと、このままもうユニフォーム姿を見られなくなってしまうかもしれないという焦燥と、独立リーグでいいからもっともっと見たいという思いに駆られたのも確かだった。
マニーと高知の契約は7月までだが、前期リーグが終了し、後期が始まるのは7月30日。実質的にはもう試合はないが、BCリーグやまだまだ6月一杯まで試合のある独立リーグもある。
そこにレンタル移籍して、プレーをするという手もあるのではないか?
そんなことも思いながら試合を見ていたが……。