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カブスの苦戦とアストロズの好調。
本命2球団の明暗を分けるものは? 

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芝山幹郎

芝山幹郎Mikio Shibayama

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posted2017/05/27 09:00

カブスの苦戦とアストロズの好調。本命2球団の明暗を分けるものは?<Number Web> photograph by AFLO

加入初年度から青木はアストロズの躍進に貢献している。チームにとっても自身にとっても悲願の世界王者へ視界は良好だ。

カブスで特に気になるのは外野守備の弱体化。

 とくに外野守備の弱体化が気になる。デクスター・ファウラーやホルヘ・ソレールの抜けた穴は、予想以上に大きかった。相手チームに二塁打や三塁打を許すケースが増えているのも、外野の守備が甘いからだ。

 夏に向けて打線の調子が上向きになることは考えられるが、平均年齢の高い投手陣と層が薄くなった外野の守備陣は不安を残す。期待の新人イアン・ハップ(22歳。26打席で3割4分6厘、2本塁打)が救世主になれるだろうか。

投打が噛み合うアストロズは年間110勝も夢ではない。

 カブスとは対照的に、好調な進撃をつづけているのがアストロズだ。開幕前から有力な優勝候補だったが、投打の歯車がぴたりと噛み合っている。昨年の勝率が5割1分9厘で、現在は6割5分9厘。5月18日には、瞬間的とはいえ、勝率7割を突破した。このペースを維持すれば、年間110勝も夢ではない。'98年に残した年間102勝の球団記録更新は、十分に射程圏内だ。

 最大の理由は、エースのダラス・カイケルが復活したことだろう。昨年こそ不調にあえいだが、今季の彼は、2015年にサイ・ヤング賞を獲得したころのレベルに戻っている。いや、シンカーとスライダーを低目に集めてゴロアウトの山を築く投球術は、さらに磨きがかかってきた。9試合に先発してクォリティ・スタートが7回(7勝0敗)。防御率1.84という数字は、サイ・ヤング賞の本命にふさわしい。

 アストロズにはもうひとり、注目すべき投手がいる。中継ぎのクリス・デヴェンスキー(26歳)だ。100マイル近いフォーシームと、大きく変化するチェンジアップを主武器に、24回3分の1で44個(!)の三振を奪っている。

 昨年も108回3分の1を投げて奪三振は104個に達したが、今季のハイペースは驚異だ。マイケル・フェリス、ケン・ジャイルズともども、三振の取れるブルペンは、アストロズの強さを底支えする要因となっている。

【次ページ】 青木ら経験ある選手を獲得したことで隙のない陣容に。

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