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カブスの苦戦とアストロズの好調。
本命2球団の明暗を分けるものは?

posted2017/05/27 09:00

 
カブスの苦戦とアストロズの好調。本命2球団の明暗を分けるものは?<Number Web> photograph by AFLO

加入初年度から青木はアストロズの躍進に貢献している。チームにとっても自身にとっても悲願の世界王者へ視界は良好だ。

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芝山幹郎

芝山幹郎Mikio Shibayama

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 前年の王者カブスが苦しんでいる。絶不調というほどでもないが、シーズンの4分の1を経過したところで22勝20敗(5月21日現在)という数字は、けっして胸を張れるものではない。もっとも、ワールドシリーズを制覇したチームが翌年苦しむというケースはわりと頻繁に起こる。

 最近では、2007年のカーディナルスが序盤から不調で、40戦16勝24敗と黒星先行した例があった(最終的にも78勝84敗)。'03年のエンジェルス、'14年のレッドソックス、'16年のロイヤルズなども、スタートダッシュに失敗している(ロイヤルズは最終的に5割をキープしたが、他の2球団は負け越し)。

 それでも内容を見ると、カブスの5割超えは御の字というべきかもしれない。

湿りっぱなしの打線と、自慢の投手陣も不調気味。

 なにしろ、打線が湿りっぱなしだ。主砲のクリス・ブライアントこそ3割3厘、10本塁打とまずまずの成績を残しているものの、アンソニー・リゾ、カイル・シュワーバー、アディソン・ラッセルらが、そろって2割前後の低打率から浮上できない。ベン・ゾブリスト、ハビエル・バエス、ジェイソン・ヘイワードといった渋い脇役も、打率2割5分前後を行ったり来たりだ。

 加えて、自慢の先発投手陣がぱっとしない。ジェイク・アリエータ、ジョン・レスター、カイル・ヘンドリクス、ジョン・ラッキーという4本柱の防御率を見ると、3.5を切っているのはヘンドリクスひとりだ。エースのアリエータに至っては、50回3分の2を投げて4.80。運よく5勝をあげてはいるものの、これはかなりの重症ではないか。

 もっと心配なのは守備の乱れだ。DER(インプレーの打球をアウトにする確率)を見ると、昨年7割3分1厘(30球団中ダントツ1位)だった数字が、6割8分(30球団中26位)にまで低下している。

【次ページ】 カブスで特に気になるのは外野守備の弱体化。

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