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トミー・ジョン手術を受け、好投するダルビッシュの本音。~「怖いです」とエースは正直に話した~
text by
四竈衛Mamoru Shikama
photograph byYukihito Taguchi
posted2017/05/25 07:00
リハビリを終え復帰した昨季は、17試合に登板し7勝5敗、防御率3.41。100回1/3を投げ132奪三振を記録した。
今季、レンジャーズの開幕投手を務めたダルビッシュ有が、着実に覚醒し始めた。2015年3月、「トミー・ジョン」と呼ばれる右肘手術を受けて以来、地道なリハビリを経て、昨年5月にメジャーへ復帰した。迎えた今季、手探りだった昨年とは、求められるレベルも立場も違う。だからこそ、目の前の結果に一喜一憂することなく、慎重かつ繊細に、自分の体と向き合ってきた。
5月5日のマリナーズ戦では、持ち前の「剛」ではなく、「柔」の投球スタイルを披露した。速球が本調子でないと見るや、配球を大胆に変更した。「一番感覚が良かった」と言うスライダーを、全116球中53球選択。通常の25%から46%と多投し、7回1失点の粘投につなげ、3戦連続でクオリティースタート(6回以上、自責点3以内)をクリアした。連戦中でもあり、救援陣への負担を軽減させる投球術こそ、エースの真骨頂だった。