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村田諒太の“技”と“体”に迫る。
ミドル級世界経験者とコーチが語る。
 

text by

二宮寿朗

二宮寿朗Toshio Ninomiya

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photograph byHiroaki Yamaguchi

posted2017/05/20 11:00

村田諒太の“技”と“体”に迫る。ミドル級世界経験者とコーチが語る。<Number Web> photograph by Hiroaki Yamaguchi

こんなににこやかな調印式があるだろうか。世界戦を前に、村田諒太の調整は順調に進んでいるようだ。

計量でも「今からこんなに落ち着いていいのかな」。

――世界戦の12ラウンドは初めて。スタミナがあってタフで鳴らす村田選手ですが、さらにスタミナ面の強化に力を入れてきました。

「今回、世界戦をやるにあたって村田選手と話したのがピリオダイゼーション(期分け)です。試合までの日数を逆算しながら、トレーニングに強弱をつけていこう、と。そのなかで3月はスタミナをしっかりやらなければならない時期でした。2人で沖縄にいって、走り込みの合宿を1週間、徹底的にやりましたね。戻ってきてからも重量70kgのスレッド(そり)を押すトレーニングなどスタミナをつけるトレーニングを1日置きにやっています。

 疲労が来たら『あれ、おかしいな』となってさらに追い込もうするのがボクサーです。だからそうならないように、この週は無理して強度を上げよう、でも次の週はいくら調子が良くても弱めにしようとか、今回は非常に計画的にやってきたと言えると思います。ピリオダイゼーションを取り入れたのは初めてですが、うまくいっていると思いますよ」

 2人の話からも見えてくる「技」と「体」の充実。

 村田諒太は19日、前日計量を72.3kgで一発パスした。

「落ち着いていますし、いい状態だと思います。僕は結構ビビリで試合直前に、今から仕事だ! って開き直るタイプなので、逆に今からこんなに落ち着いていていいのかなと思います」

 心技体は、そろった。

 舞台は、整った。

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村田諒太

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