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村田諒太の“技”と“体”に迫る。
ミドル級世界経験者とコーチが語る。
posted2017/05/20 11:00
text by
二宮寿朗Toshio Ninomiya
photograph by
Hiroaki Yamaguchi
プロに転向して4年。
村田諒太は「心」を磨くとともに、「技」「体」を向上させてきた。アッサン・エンダムとのWBA世界ミドル級タイトルマッチを直前に控えるなか、レベルアップした「技」と「体」を周囲はどのように見ているのか。
アマで全日本選手権5連覇など輝かしい実績を引っさげてプロ入りし、東洋太平洋ミドル級王座を獲得した帝拳ジムの先輩にあたる佐藤幸治氏(2012年に引退、現在は日本シークレット・サービス社に勤務)が村田の「技」を、そしてフィジカルトレーニングに先進的かつ科学的なアプローチを試み、帝拳ジムと契約する中村正彦ストレングス&コンディショニングコーチが村田の「体」を語る。
高校時代に対戦した村田の印象は“凄くいい選手”。
まずは佐藤幸治から見た「技」。
――佐藤さんが自衛隊体育学校時代、村田選手が高校時代に全日本選手権ミドル級決勝で戦っています。結果は佐藤さんの1回RSC勝ち(レフェリーストップ)でしたが、どんな印象がありましたか?
「村田くんが高校のときに、僕がいた日大に泊まりがけで練習に来たことがあって、マスボクシングやったんですよ。印象に残っているのが、ステップインの速さ。日本だとミドル級は重量級になりますけど、軽量級、中量級の選手がやるような速さでしたね。“コイツ、凄くいい選手だな”って思った記憶があります」
――プロでは重なる時期がありませんでした。佐藤さんは'12年6月に引退を表明して、村田選手はその年のロンドン五輪で金メダルを獲得。プロに転向して、'13年8月にプロデビューします。
「デビュー戦の相手がいきなり東洋太平洋王者の柴田(明雄)くんでしたからね。プロの世界で、そのプロのチャンピオンに2回で勝ったわけですから、凄いことだと思います」