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円盤投の世界記録は女子>男子!?
陸上記録“白紙案”とドーピング。
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph byAFLO
posted2017/05/14 07:00
リオ五輪金メダリストのサンドラ・ペルコビッチの記録は69m21。だが世界記録は'88年に計測された76m80だ。
'05年以前に誕生した日本記録を調べてみると……。
参考までに、2005年よりも前に誕生した日本記録を五輪・世界選手権種目に限定して記すと、次の通りとなる。
○男子
100m 伊東浩司(10秒00/1998年)
200m 末續慎吾(20秒03/2003年)
400m 高野進(44秒78/1991年)
1500m 小林史和(3分37秒42/2004年)
110mハードル 谷川聡(13秒39/2004年)
400mハードル 為末大(47秒89/2001年)
3000mSC 岩水嘉孝(8分18秒93/2003年)
4×400mリレー (3分00秒76/1996年)
マラソン 高岡寿成(2時間6分16秒/2002年)
走幅跳 森長正樹(8m25/1992年)
三段跳 山下訓史(17m15/1986年)
円盤投 川崎清貴(60m22/1979年)
ハンマー投 室伏広治(84m86/2003年)
やり投 溝口和洋(87m60/1989年)
○女子
10000m 渋井陽子(30分48秒89/2002年)
100mハードル 金沢イボンヌ(13秒00/2000年)
走高跳 今井美希(1m96/2001年)
三段跳 花岡麻帆(14m04/1999年)
砲丸投 森千夏(18m22/2004年)
ハンマー投 室伏由佳(67m77/2004年)
七種競技 中田有紀(5962点/2004年)
マラソン 野口みずき(2時間19分12秒/2005年)
4月の国際陸上競技連盟の理事会では、ロシアにおけるドーピングに対する姿勢が一向に改善されないことが報告されている。ただドーピングと手を切れずにいるのは、ロシア以外の国でもそうだ。
そうした現在があっての提案ではあるだろう。それでも、個々のアスリートの記録への挑戦と成果をいっしょくたに消し去る改革は進められるべきではないのではないか。
まだしばらくは、記録の信頼性が持てないという痛みを伴わざるを得ないとしても。