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「地球の3割は彼がカバーしている」
チェルシー・カンテの異常な貢献度。 

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山中忍

山中忍Shinobu Yamanaka

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posted2017/05/05 09:00

「地球の3割は彼がカバーしている」チェルシー・カンテの異常な貢献度。<Number Web> photograph by Getty Images

ボール回収力に攻撃力が加わったカンテ。イビチャ・オシムならば2010年代最強の「水を運ぶ人」としての評価を与えるかもしれない。

「ハードワーク」が口ぐせ、黙々と戦う職人肌。

 華々しいプレミア強豪で不動のレギュラーを張る今も、選手としての日々を「練習して帰宅、また練習に行って終わったら帰宅」と表現するカンテには、「黙々」や「淡々」といった言葉が似合う。フランス語アクセントが強い英語で時折こなすメディア対応でも、コンテに勝るとも劣らない頻度で「ハードワーク」という言葉を口にする。チェルシー移籍当初にクラブ公式マガジンで明かしていたように、プロクラブのユース入団トライアルで「落ちまくった」という少年時代から、ひたすら努力の人だったのだ。

 本人の地道な努力は、昨季レスターでのプレミア優勝、PFA年間最優秀選手賞受賞、さらには個人として2年連続2度目のリーグ優勝という栄冠で報われようとしている。

 4月30日にチェルシーは敵地でエバートンを下した。2位トッテナムが4ポイント差で追っており残り4試合で3勝すれば優勝を自らの手で決められる。そのうちスタンフォード・ブリッジで戦うホームゲーム3試合は、降格濃厚なミドルズブラ、ほぼ残留確定で目標のないワトフォード、そして既に降格決定済みのサンダーランドが相手だ。エバートン戦でのカンテ自身は及第点の出来だったが、選手にとって勝利とタイトルに勝る自信の源はない。

 そして、自信を増せば自然と声も出てくるだろう。今のところ、ピッチとの距離が近いスタンフォード・ブリッジの記者席最前列でも、カンテの叫び声を耳にした記憶はない。だが、控えめながら攻守に影響力を持つMFは、その気になれば周囲に響きそうな太く低い声の持ち主でもある。

 チームを率いるコンテは「声の出るリーダーへと成長してくれるのではないかとも思っている」と、実際に期待を寄せてもいる。近い将来、本当に「マケレレ+キーン+ビエラ」のようなカンテの姿を拝める日が訪れるかもしれない。

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