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NBAプレイオフベスト8が激アツに!
セルティックス対ウィザーズに大注目。
text by
長澤壮太郎Sotaro Nagasawa
photograph byMaddie Meyer/Getty Images
posted2017/05/01 17:45
5月1日(日本時間)、東カンファレンスセミファイナル第1戦は、アイザイア・トーマスの活躍でセルティックスがウィザーズを下した。
スティーブンHC「人生にはもっと大切なことがある」
妹さんは5月2日生まれだったため、本来ならこのシリーズ初戦のあと23歳の誕生日を迎えるはずだった。
アイザイアと妹さんは幼少時から特に仲がよく、アイザイアの大学時代は、わざわざ試合の応援のために全米を横断して来るほどだったという。昨年夏に行われたアイザイアの挙式でも家族で喜びを分かち合ったばかりだっただけに、悲しみは深い。
チームメートは「彼は生涯で一番辛い24時間をとんぼ返りで過ごさなければいけない。でも彼ならやれると信じている」とサポート。
スティーブンズHCは「もちろん戻ってきて欲しい、そのためのサポートはする。でも精神的に難しいようだったら絶対に家族を優先するべきだし、戻る期限なんて設けない。彼が必要なだけ休んでいい。僕らの用事はバスケットのゲームに過ぎないし、人生にはもっと大切なことがある。状況が違ったら我々もチームで葬儀に参列していた」と発言した。
“絶対に譲れない戦い”の第1戦はセルティックスだが。
様々な出来事を経て始まったこのシリーズ。
初戦は、試合開始早々、ウィザーズの猛攻撃から始まり、前半に一時17点差に広げ、一気に逃げ切るかと思われた。しかしセルティックスが全員でアイザイアと共に戦い、3Pの嵐(プレイオフ球団記録の19本)で反撃し大逆転を演じた。
前日まで葬儀に参列していたにもかかわらず、33得点9アシストを挙げチームを牽引したアイザイア。試合後のインタビューで、「僕が今、妹に出来ることはコートでプレイすることだけ」と言った彼の表情に笑顔はなかった。
123-111でシリーズ初戦を制して1勝目を挙げたセルティックス。ただ、お互いに“譲れない戦い”は始まったばかりである。
近年は、レブロン・ジェームズがライバルになりそうな選手を全員味方に付けてしまって、東地区ではライバル関係が希薄になっていた。それだけに、火花を散らしながら激しくぶつかり合うこの2チームの直接対決を1試合でも多く見たいところだ。