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ムーキー・ベッツと連続無三振記録。
「伝説」を視野に入れられるか? 

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芝山幹郎

芝山幹郎Mikio Shibayama

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posted2017/04/29 09:00

ムーキー・ベッツと連続無三振記録。「伝説」を視野に入れられるか?<Number Web> photograph by AFLO

ベッツは2016年のオールスターにも出場。俊足強打のニュースターとして名門チームを引っ張る。

ゲーリッグ、ディマジオらの名前を持ち出すのも近い?

 ベッツはこの流れに抗している。それと、先ほども述べたことだが、パワーとコンタクト能力を兼備した打者の数はきわめて少ない。マーティン・プラドやホゼ・イグレシアスやホゼ・ラミレスは、コンタクト能力にこそすぐれているものの、長打力があるとはいえない。他方、長打力にすぐれたブライス・ハーパーの三振率は18.7%、マニー・マチャドは17.2%、マイク・トラウトの場合は20.1%に達している。

 こうした数字を挙げれば、ベッツの特異性は炙り出されるのではないか。現役で肩を並べられそうなのは、ホゼ・アルトゥーベやダニエル・マーフィあたりだろうが、夢はさらにふくらむ。

 ルー・ゲーリッグ(通算打率=3割4分、通算本塁打数=493本、三振率=8.2%)、ジョー・ディマジオ(3割2分5厘、361本、4.8%)、テッド・ウィリアムズ(3割4分4厘、521本、7.2%)、スタン・ミュージアル(3割3分1厘、475本、5.5%)……あまりにも偉大な伝説の名を持ち出すのは気が早すぎるだろうか。夢想しながら、期待がじわじわと高まってくる。

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