話が終わったらボールを蹴ろうBACK NUMBER
J1通算20000点目を決めた地味な男。
清水・金子翔太、3年前と不変の姿勢。
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byJ.LEAGUE PHOTOS
posted2017/04/24 17:30
公式サイトでも「たくさん走ります!!」と書いている金子翔太。鄭大世の周囲を走り回る動きが、清水の攻撃を捕まえにくいものにしている。
監督からの評価も守備に偏っている。
さいわい、運は持っている。
昨年、J2の最終節、徳島戦でJ1昇格を決定付けたゴールを決めたのが金子だ。
そして、今回の20000ゴールである。「もっている」と自らいうように、2度あることは3度ある。今後も試合を決める、あるいは節目となるゴールを挙げる可能性が高い。
孤高のストライカーではないが、小林伸二監督は「金子は攻守の切り替えが速いし、守備もよくやっている」と、献身的な仕事を高く評価している。20000ゴールをみんなに祝福されている姿を見ていると、チームメイトに信頼されているのがよく分かる。兄貴分である鄭大世とのコンビネーションも研ぎ澄まされつつある。
あとは、どのくらい目に見える結果を残すことができるか。
「これから全試合に出場して、二けた得点を狙いたい。今年は2点取っていますが、負けと引き分けなので、次は点を決めて勝ちたいです」
163cmの小兵だが、伸びシロはある。その優しい表情の下にゴールへの執着が宿れば、もっと恐い選手になれるはずだ。