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尹晶煥はなぜ山村をトップ下に……?
“韓国らしからぬ技巧派”の決断とは。
posted2017/04/27 17:00
text by
吉崎エイジーニョ“Eijinho”Yoshizaki
photograph by
Photoraid/AFLO
「今日の試合の結果とは関係なく、皆さまの前で1周して挨拶するつもりでした」
その目に、4失点を喫し4ゴールを挙げた試合結果はどう映ったか。リーグ戦とメンバーを入れ替えたとはいえ。
4月26日、Jリーグである“帰還”のシーンが実現した。
ルヴァンカップ Bグループ第3節 サガン鳥栖4-4セレッソ大阪。
かつて鳥栖を率いて2011年にJ1昇格、2014年には優勝争いにまで導いた尹晶煥(ユン・ジョンファン)が、アウェーチーム・セレッソ大阪の監督としてベストアメニティスタジアムに足を踏み入れたのだ。
冒頭の言葉は「鳥栖を離れる時に、きちんと挨拶できずに離れてしまい、申し訳ない気持ちがあった」からだという。
チームが首位に立った直後に、突然の解任。
2014年8月当時、チームが首位に立った直後に突如解任になった出来事はチーム内外に大きな衝撃を与えた。
Kリーグでの指揮を経て、今季、J1昇格を果たしたセレッソ大阪の監督に就任した。
J1リーグ戦では、ここまで首位浦和レッズと勝ち点6差の8位につける。第6節にはアウェーで鹿島アントラーズを撃破。続く第7節のガンバ大阪とのダービーマッチは2-2のドローだったものの、対等以上のゲーム内容を見せた。セレッソのチーム名の由来「桜」にたとえるなら“つぼみが開き始めている”というところか。
鳥栖時代の実績に続き、セレッソでも今季の目標「9位以内」を果たすのか。
2012年にJ1昇格プレーオフが実施されて以降、プレーオフで昇格したクラブはすべて1年でJ2に舞い戻っている。
それだけに結果を残した際には、新たなJリーグの名将としてより高い評価を手にするはずだ。