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不倫騒動、相手ファンを尻で挑発!?
チェルシー退団テリーの5大逸話。
text by
山中忍Shinobu Yamanaka
photograph byGetty Images
posted2017/04/22 09:00
CL決勝欠場ながらもランパードらとともに歓喜した闘将。その姿は「ジョン・テリーする」との新語を生んだ。
「ジョン・テリーする」なんて新語まで生まれた。
ちなみにいつもはテリーを毛嫌いする人々も、母国から欧州王者が生まれたこともあってか“テリーらしさ”を茶化すチャンスとして歓迎した程度だった。
ちなみに表彰式でのみ仕事した主将は、インターネット上でも時の人に。'66年W杯でのイングランド優勝シーンはもちろん、アポロの月面着陸、ベルリンの壁崩壊、ネルソン・マンデラの釈放といった歴史的な出来事にも、合成写真で登場した。
今では、試合に出場できなかった選手がユニフォーム姿で表彰台に立つ行動が「ジョン・テリーする」と表現される。今年2月のリーグカップ決勝で主将としてトロフィーを掲げた、マンUのウェイン・ルーニーが最新例だ。
相手サポーターに向けてお尻を突き出して挑発。
<2017年4月1日 チェルシー対クリスタルパレス(リーグ戦)>
ピッチに立っていない試合の最中に存在感を示したこともある。
その手段の良し悪しは別として、チェルシーのために尽力せずにはいられないのがテリーなのだ。
チェルシーはリーグ戦では3カ月近く無敗だったが、下位チームを相手にビハインドの展開のまま終盤を迎え、観衆も含めて焦りとナーバスさが充満した。
そこでウォームアップに出たテリーは、指定エリアとは逆方向に走りながら、スタンドの方を向いてホームの観衆に「盛り上がれ!」とジェスチャー。サイドを間違ったような素振りで第4審判の前を通りすぎて逆サイドに向かうと、やはり観衆を煽動。タッチライン沿いの1往復だけでベンチに戻ったところを見ると、自分の体を温めるのではなく、スタンドの熱気を上げてチームに力を与えることが狙いだったようだ。
これと同じような場面は、4年前のウェストハム戦でも起きている。
ローテーションでベンチにいたテリーが、肩で風を切るようにしてアウェイサポーターが占めるゴール裏スタンドへと向かい、コーナーフラッグの脇で反転。すると前屈して尻を突き出したのだ。敵意剥き出しのアウェイ陣営をさらに挑発する主将にホームの観衆は沸き、その2分後に先制点を奪ったチェルシーが勝者となった。