Jをめぐる冒険BACK NUMBER
代表のためにスタイルは変えない。
西川周作は浦和式でつなぎ続ける。
text by
飯尾篤史Atsushi Iio
photograph byAFLO
posted2017/04/07 07:00
西川周作の目指すGK像と、ハリルホジッチの求めるGK像は違う。その溝を超える程の絶対能力を身につけるしかない。
90分間、相手コートで試合をするという浦和の理想。
今シーズンの浦和は「相手に90分プレスをかけ続け、相手のコートで試合をする」という理想を掲げ、最終ラインをできるだけ高く保つチャレンジを試みている。それゆえ、最終ラインの背後に大きなスペースが生じることがあり、西川がペナルティエリアの外に飛び出して処理するシーンは、これまで以上に増えるかもしれない。
そのとき、躊躇してリスクを冒さず、セーフティーにプレーするという選択肢は、西川にはない。
逆に言えば、GKが西川だからこそ、浦和のディフェンス陣は信頼してハイラインを保つことができるのだ。
「レッズあっての代表だと思うので、まずはレッズで結果を残して、6月の代表戦の頃には違う印象を与えられるようにしたいですね。ヴァイッドはシンプルで分かりやすいぶん、何試合か完封すれば印象も変わると思います。マキ(槙野智章)ともレッズで頑張ろうぜ、見返してやろうぜ、って言いながら帰ってきたんです」
攻撃的なスタイルを貫いたうえで、ゴール前での存在感、安定感も高める――。
どちらかではない。その両方を追うことが自身の伸びしろだということを、西川は分かっている。