フランス・フットボール通信BACK NUMBER
スペイン代表の黄金時代も今や遠く――。
ロペテギ現監督が考える次世代構想。
text by
フレデリック・エルメルFrederic Hermel
photograph bySergio enrquez-Nistal/Marca/Iconsport
posted2017/04/06 08:00
指導者としてスペイン代表のユース世代を数年率い、今回のA代表監督就任前はポルトの監督を務めていた。
<代表への愛着を保ち続ける>
「情熱がなければ何ごとも成しえないと私は確信している。
ロハの監督に就任して私が最も満足したのは、“ラス・ロザス(マドリード郊外にあるスペイン協会と代表の本拠地)”のフットボールシティに合流したときに選手たちが見せた野心だった。
そこが私の出発点だった。
すべてはそうしたグループのキャラクターとスピリット、意欲から築きあげられた。もちろんスペインは、クラブが大きな比重を占めるサッカー狂信国だ。サポーターの目は贔屓のクラブに当たり前のように向けられているが、ひとたび代表の時節が到来すると彼らからの途方もない重圧を感じる。選手たちもそれは同じだろう。
ロハの責任を負うものとして私は、選手がクラブの仕事から解放されて代表に合流したときには、喜びと情熱を見いだして欲しいと願っている。それがすべてのベースであるからだ」
<選手とのコンタクトを取り続ける>
「イスラエル戦(3月24日、ワールドカップ予選、ホームで4-1の勝利)とフランス戦(3月28日、親善試合、スタッド・ド・フランスで2-0の勝利)に先立つ4カ月の間、(代表としての練習はできないまま)私は選手たちをじっくりと観察することしかできなかった。
あまりに長かったが、カレンダーがそうなっている以上、他にやりようはなく、だからこそシーズンも佳境を迎え重要な試合を控えているとはいえ、彼らと恒常的にコンタクトをとるのが重要だった。
やることはたくさんあった。何人かとは食事を共にしたし、別の選手たちとは電話で話し合って、自分たちがこれまで一緒に成し遂げてきたことや、今後の試合の重要さを確認した。絆の維持はそれだけ大事で、彼らを個人的にサポートすることによっても深めることができた。
例えばクラブと問題を抱えた選手には、必要なアドバイスを与えた。コンタクトの方法は数限りなくある。たとえ選手の優先順位はクラブが上であっても、代表戦の際に私が彼らに何を期待しているかを、彼らが明確に理解するまで説明し続けた」