福西崇史の「考えるサッカー」BACK NUMBER
UAE戦、福西崇史の一段階深い分析。
縦横無尽の今野、ただ香川は……。
text by
福西崇史Takashi Fukunishi
photograph byTakuya Sugiyama
posted2017/03/24 14:15
追加点に中盤でのボール奪取。出色のプレーだった今野と、無得点に終わった香川をどう絡み合わせるか。今後のハリルジャパンのテーマになるかもしれない。
“立ち戻れる場所”ができたことは何よりも大きい。
例えば僕が代表だった頃のドイツW杯予選では、2次予選でオマーン、最終予選でバーレーンにアウェーで勝ったことで勢いに乗った。特にバーレーン戦では(小笠原)満男が先制ゴールを決めてからは、守備の意識を強めて無失点で切り抜けた。
やるべきことをやって勝ち切ると、チーム全体で“立ち戻れる場所”が生まれます。W杯出場権獲得という目標を達成することがまず大事ですけど、W杯で勝つためのチーム作りを並行していく中で、全員の意思がすぐに合わせられる戦い方も時には必要ですからね。
次のタイ戦で連勝すれば、最終予選突破が見えてきます。ただタイの戦い方を見る限りでは、今回のUAE戦とは真逆の展開になるんだろうな、と予想します。簡単に言えばタイは引いて守ってくるタイプだけに、ボールを持った時に崩しきれるかどうか。アジアとの戦いで何度も経験してきただけに、次はトップの選手に期待したい。
試合終盤に大迫が負傷交代したのは少し心配ですけど、大迫に代わって入った岡崎、アウェーのタイ戦でゴールを決めた浅野が自分の持ち味を活かせばゴール、そして勝ち点3を奪えるはずですからね。
(構成・茂野聡士)