Jをめぐる冒険BACK NUMBER
東京ドロンパが「I have a OKUBO」。
多摩川クラシコは、嘉人を巡る戦い。
posted2017/03/17 08:00
text by
飯尾篤史Atsushi Iio
photograph by
J.LEAGUE PHOTOS
3月4日のJ1第2節、FC東京vs.大宮アルディージャ戦の試合後、味の素スタジアム場内から流れてきたのは、ピコ太郎の「PPAP」だった。
オーロラビジョンには、東京のマスコットである「東京ドロンパ」と、川崎フロンターレのマスコットである「ふろん太」が登場し、リズムに乗って踊っている。
東京ドロンパが「I have a MORISHIGE.(アイ・ハブ・ア森重) I have a OKUBO.(アイ・ハブ・ア大久保) Ummm(ウーン) FC TOKYO!(FC東京!)」と歌うと笑いと拍手が起き、ふろん太が「I have a NAKAMURA.(アイ・ハブ・ア中村) I have a KOBAYASHI.(アイ・ハブ・ア小林) ummm(ウーン) KAWASAKI FRONTALE!(川崎フロンターレ!)」と続くと笑いの混じったブーイングが起きた。
さらにふたりが「FC TOKYO! KAWASAKI FRONTALE! Ummm Ta-Ma-Gawa-Classico 3.18」と歌い上げると、拍手喝采が湧いた。
PPAPならぬ、TMGC――。
3月18日に行われる「多摩川クラシコ」のプロモーション映像だったのだ。
大久保嘉人が東京に。この事実が最大の見どころ。
流行りをうまく取り入れた遊び心満載のプロモーションは、両クラブの得意とするところだが、なんと言っても秀逸なのは、東京ドロンパに「I have a OKUBO.」と歌わせたことだろう。
そう、まさに「(昨季まで川崎の一員だった)大久保嘉人が東京にいる」ことこそ、今季の多摩川クラシコにおける最大の見どころなのだ。
1999年に創設されたJ2で川崎が1位、東京が2位でともにJ1昇格を果たした両チーム。アマラオが吠え、中西哲生が叫んでいた時代から熱い戦いを繰り広げてきた。ここまでの多摩川クラシコの戦績は、東京が8勝、川崎が13勝、そして7度の引き分けを記録している。