プロ野球亭日乗BACK NUMBER
菊池、中田、青木の守備で勝った。
WBC初戦、打線爆発より嬉しい事。
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph byHideki Sugiyama
posted2017/03/08 11:40
国際試合の異常な緊張感からチームメイトを解放した、菊池のファインプレー。
勝ち越しを阻止した、青木のファインプレー。
菊池のビッグプレーの直後に筒香のタイムリーで1回裏に先制すると、3回の守りでは青木のファインプレーが飛び出す。
9番・セスペデス(ニューヨーク・メッツで活躍するヨエニス・セスペデスの異母弟)の二塁打と送りバントで1死三塁という場面。
2番のアヤラの右中間寄りを襲った打球を、最後はフェンスに激突しながらジャンプ一番で好捕した。
この一打が犠飛となり同点に追いつかれたが、もし抜けていれば同点でなお1死二塁か三塁に走者を背負うピンチが広がるところだった。
それだけに勝ち越しを阻止したという点で、大きな意味を持つプレーだったわけである。
「守り勝ったという部分もあったと思う」
青木は続く4回にも、センター後方への強烈なライナーを背走して、最後は逆シングルでグラブを差し出してキャッチする好守を披露した。
「守り勝ったという部分もあったと思う」
唯一のメジャーリーガーとして侍ジャパンに参加し、チームの牽引車的な役割も担っている青木は試合を振り返ってこう語った。
「全てが先手、先手でいけたし、向こうに行きそうな流れも食い止めることができた。要所要所でそういうビッグプレーが多くあった試合だったし、その辺が堅くいった試合だったと思う」