ぶら野球BACK NUMBER
飛行機2万、1泊3千、チケット4千円。
沖縄へ“春の野球”を見にぶらり旅。
text by
中溝康隆Yasutaka Nakamizo
photograph byYasutaka Nakamizo
posted2017/03/08 11:00
オープン戦のスタジアム周りで見かけた沖縄出身の宮国椋丞の等身大パネル。かの地では巨人軍で一番人気!?
お手軽なカプセルホテル旅も、また良し。
どうしようかなと迷いつつ検索を続けていたら、カプセルホテルの空室を見つけた。
セルラースタジアムから、ゆいレールで5分。繁華街の国際通りへもタクシーで10分弱のナイスなロケーション。
ちなみに何の自慢にもならないが、俺は大学時代に大阪・難波のカプセルホテルのフロントでアルバイトをしていたことがある。
出張中の会社員や酔っ払いのオヤジに交じって、数週間にわたり連泊し続ける正体不明の中年男たちもいた。恐らく、彼らは何かから逃げていたのだろう。仕事や家庭から、時に己の人生そのものから……。
懐かしい。
久しぶりにカプセルホテルもいいかもしれないと、1泊3000円の部屋を予約した。
いきなりマシソンの直筆サイン色紙をゲット!
思ったより肌寒いな――。
25日午前11時過ぎ、リュックひとつで沖縄に降り立つとあいにくの曇り空だった。那覇空港から奥武山公園駅まではゆいレールで3駅7分。近い。しかもホームに立った瞬間、目の前には球場が広がっている絶好のロケーション。デーゲーム試合開始1時間前にセルラースタジアム那覇に到着すると、とりあえず巨人ファンクラブ「G-Po」来場登録の特設テントへ。
その場で来場者プレゼント抽選もやっているらしく、ガラガラポンをひと回し。すると勢いよく光る玉が飛び出した。「おおおっ! 当たり。金……いや銀玉ですね。2等です!」って、マジかよ。
いきなりスコット・マシソンの直筆サイン色紙をゲット。
嬉しいけど色紙を抱えての旅はしんどいな。男のひとり旅は身軽が基本だ。するとそんな迷いを見透かしたかのようなタイミングの良さで「それ誰のサインですか?」と現地の野球少年が話しかけてきた。
「欲しい?」
「はい」
「お母さん美人?」
「はい?」
「ヤフオクに売っちゃダメだよ」
なんてやり取りをして少年にマシソン色紙をプレゼント。俺も実家にガキの頃、近所の大人から貰った江川卓のサイン色紙があるよ。大事にしてくれよ少年。