ぶら野球BACK NUMBER
飛行機2万、1泊3千、チケット4千円。
沖縄へ“春の野球”を見にぶらり旅。
posted2017/03/08 11:00
text by
中溝康隆Yasutaka Nakamizo
photograph by
Yasutaka Nakamizo
「人生とは旅であり、旅とは人生である」
かつて中田英寿はそう言った。
そうか、旅か……。
最近は仕事の打ち合せ以外の遠出はほとんどない。近所の徒歩3分のコンビニまでの定期券が欲しいくらいだ。子どもの頃に行った修学旅行は気楽で楽しかったな。社員旅行や家族旅行も悪くないけど、たまには会社や家庭のことを忘れてぶらりとひとり旅に出たい。現地の食事、夜の街散策、地元のおネエちゃん、のんびり温泉、そしてプロ野球。そんな旅があったら最高だ。
そうだ、遠征に行こう。
好きな野球チームを追って、日本各地をぶら野球。
目指すは「大人のひとり修学旅行」である。
いざオープン戦開幕試合、沖縄遠征へ。
巨人の日程を確認すると、2月25日にタイミング良く沖縄セルラースタジアム那覇でのオープン戦開幕試合がある。25日(土)がDeNA戦、26日(日)がロッテ戦だ。
寒い東京を脱出して沖縄へ野球観戦ひとり旅。野球のない27日には瀬長島の琉球温泉でリフレッシュ。
これだ。
なんて素晴らしいコンセプトだろう!
感動してほとんど涙ぐみながら、さっそくネットで航空チケットを手配する。あっさりと往復2万円を切る格安チケットを購入。よし、その勢いでホテルも……と思ったら、25日夜の那覇市内のビジネスホテルはすべて満室だ。この日は那覇だけでなく、名護、北谷 、浦添と沖縄各地でオープン戦ラッシュ。レンタカーを借りて中心地から離れたら選択肢は広がるけど、夜の街でストイックにウーロン茶を飲むハメになる。かと言って、それなりのリゾートホテルは1泊3万円越え。男ひとりでそんな場所に泊まっても虚しいだけだ。