ぶら野球BACK NUMBER
飛行機2万、1泊3千、チケット4千円。
沖縄へ“春の野球”を見にぶらり旅。
text by
中溝康隆Yasutaka Nakamizo
photograph byYasutaka Nakamizo
posted2017/03/08 11:00
オープン戦のスタジアム周りで見かけた沖縄出身の宮国椋丞の等身大パネル。かの地では巨人軍で一番人気!?
開幕後には味わえない、もうひとつのプロ野球。
そんな本日のメインイベントが終わると、球場内はのんびりとした雰囲気に包まれた。周囲には家族連れも多く、今日この日をひとつの「お祭り」として楽しみにしていた様子が伝わってくる。
2月下旬のオープン戦、まだ調整時期でWBC間近のため両チームの代表選手は不在。ましてや勝敗が意味を持つ試合でもない。
結果、オリオンビールとサーターアンダギー片手にのんびり観戦。
そこには目の前の勝敗がすべてのペナントレースでは味わえない、もうひとつのプロ野球があった。
沖縄の地にまで「カープ女子旋風」が吹いていた!
結局、巨人が3-5で敗戦。
元ドラ1桜井俊貴は今季も厳しいか。なんつって速やかに奥武山公園駅に移動。
ゆいレールに揺られ数分、宿泊先のカプセルホテルへ荷物を置き、いざ国際通りへ。'15年6月にオープンした屋台村はお手頃な飲み屋が20軒密集した話題のスポットらしい。
まずは沖縄そばの店で軽く腹ごしらえ。すると先客にカープユニフォームを着たおネエちゃんたちのグループがいた。泡盛の匂いと笑い声と関西弁が聞こえてくる。凄い、沖縄までカープ女子旋風。
その赤さに圧倒されていたら、LINEの着信。以前、東京ドームの巨人戦イベントで一緒に仕事をしたことがある同年代のKさんからだ。どうやらバスケットのBリーグ関連の仕事で沖縄に来ているらしい。そのまま屋台村で合流して、男2人で海ぶどうサラダと琉球おでんを肴に乾杯。球場グルメに続き、会計3000円台と財布にやさしいお手頃価格である。
するとKさんは「最後にステーキ食べましょうか」と恐ろしいことを言い出した。えっキャバクラじゃなくてステーキすか? 「沖縄には、しめステーキ食べる人も多いんです」なんて連れて行かれた店は、巨大な鉄板で焼く本格的なステーキハウス。
確かに、店内にはひとりで気持ち良さそうにステーキにむしゃぶりついているオヤジたちがちらほらいる。
俺らも負けてられねぇぞ。
ホタテと分厚い肉を焼いてもらい白米とともにかき込む。旅は健康の源だ。不思議と普段の3倍は食って飲める。遠征を続けるプロ野球選手はペナントレース中、こんな夜を過ごしているのだろうか。そりゃあタフになるぜ。
食後、Kさんとまた東京で仕事しましょうと握手をして別れた。