フランス・フットボール通信BACK NUMBER
優勝翌年に降格してしまうのか……。
ラニエリ解任で激震、レスターの宿命。
text by
ティエリー・マルシャン&フィリップ・オクレールThierry Marchand et Philippe Auclair
photograph byRICHARD MARTIN
posted2017/03/08 08:00
レスターの優勝で一躍“名将”の仲間入りを果たすはずだったラニエリ。各国トップリーグでの監督経験は豊富だが、優勝したのはレスターが初めてである。
「もし2部に降格しても、そのまま監督を……」
プレシーズンの補強も失敗だった。
ほぼ9000万ユーロをかけて獲得したのはナンパリス・メンディ、アーメド・ムサ、バルトシュ・カプストカ、イスラム・スリマニといった選手たちだったが、期待通りの活躍をしたのは、しばしば欠場があったスリマニだけだった。自分自身を見失ったレスターは、自分本来の居場所をいまだ見いだしてはいない。
2015年夏にラニエリが契約にサインしたとき、提示されたボーナスの条件は17位以上でシーズンを終えることであり、1位でフィニッシュした彼はノルマを果たしたのだった。今季もそこは冷静に考えるべきだった。
再契約に署名した際に、彼は会長からこう言われた。
「もし2部に降格しても、そのまま監督を続けてくれますか?」
同じ質問がなされることはもうない。