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“Mr.アルビレックス”本間勲の帰還。
新潟の土地柄、美徳そのものな男。
posted2017/02/24 16:30
text by
大中祐二Yuji Onaka
photograph by
Yuji Onaka
「18年前プロになった、僕にとって特別なクラブにこうしてまた戻ってくることができて、本当にうれしいです」
2年半ぶりに帰還した“ミスターアルビレックス”本間勲は、1月11日にデンカビッグスワンスタジアムで行われた新体制会見のあいさつで、喜びを噛みしめながら微笑んだ。
新潟県北蒲原郡中条町、現在の胎内市出身の“ミスター”のキャリアは、まさに新潟一筋。千葉の習志野高校にサッカー留学した本間が、当時はJ2だったアルビレックス新潟に加入したのは2000年のことである。
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'04年にJ1昇格するチームと足並みをそろえるように、少しずつ、しかし着実に力を付けていった。当初は攻撃的MFだったが、のちにボランチにコンバート。フィジカルに物を言わせるタイプではなく、確かなテクニックを生かし、ディフェンスラインの前で細やかな気配りを見せる、チームに欠かせない存在へと成長していった。
劣勢でも、黙々と粘り強くプレーする新潟の男。
昇格以来、新潟はJ1で戦い続けている。だが決して強豪クラブとはいえないのも現実だ。苦しい戦いをたびたび強いられ、ときには厳しい残留争いにも巻き込まれてきた。90分の間には押し込まれ、耐える時間も少なくない。そんな劣勢にも、本間は黙々と粘り強くプレーし続けてきた。それは、新潟という土地柄、美徳を、サッカーを通して表現しているようでもあった。
地元出身でレギュラーを張り続ける彼が、'07年からはゲームキャプテン、さらにチームキャプテンを務めたのも自然な流れだろう。プロになって以来、背負い続ける15番が、現役最後の日まで新潟の白鳥のエンブレムとともにある。それは、当然のことのように感じられた。
しかし2014年の夏、別れは突然訪れた。