福西崇史の「考えるサッカー」BACK NUMBER
俊輔+名波監督で磐田に新しい色を。
2人を知る福西崇史が、語り尽くす。
text by
福西崇史Takashi Fukunishi
photograph byKyodo News
posted2017/02/24 07:00
'90年代後半から'00年代前半、Jを代表する司令塔と言えば中村と名波だった。その2人が今、磐田の復権を担おうとしている。
ジュビロは今、チームカラーを塗り直している段階。
ジュビロは今、チームカラーを“塗り直している”段階です。自分や名波さんたちがプレーして、黄金期だったころの頃のジュビロは「主導権を握る、アクションサッカーで試合を支配する」という明確なスタイルがありました。
試合を支配する意識は攻撃だけじゃなくて、守備の時もでした。守備でも主導権を握ってやるんだ、くらいの勢いを出そうとしていた。攻守両面で自分たちがサッカーを作り上げて、楽しむことが勝利につながると信じてましたから。
Jに限らず海外リーグでもそうですが、上位争いを繰り広げるクラブにはチーム全体で共有している意識や伝統、つまり“色”がある。勝利を追求するために、ひとつひとつのプレーを大事にする鹿島はもちろん、最近で言えば攻撃的なサッカーを貫いている浦和や川崎などもそうですよね。
名波さんが思い描く理想のために、必要なエッセンス。
一方でジュビロはこの数年間でJ2降格も味わったし、得点源だったジェイも昨季限りでチームを去った。そういった意味ではもう一度、チームカラーを新しく作り直さないといけない時期にある。名波さんの中では、アダイウトンのような縦に速い選手を活かすと同時に、ボールを支配して相手を押し込むアクションサッカーにも挑戦したいと考えているはず。
そんな色づけしていく段階だからこそ、名波さんはシュンを呼び寄せた。
少し時間が必要かもしれないけど、すべてはジュビロがもう一度レベルアップするため、そして名波さんが思い描く理想のスタイルを作るため。だからこそサッカーへの向き合い方が変化したシュンの存在は、今のジュビロに必要なエッセンスなんだと思います。
あと最後に、シュンの持ち味を最大限に活かすため、自分が大切にしていたポイントについて明かしますね。