4サルコウ失敗も、ちゃんと高得点を出していた羽生。

　羽生は『レッツゴークレイジー』のリズムにのり、完璧な4ループを着氷。だがその後に予定していた4サルコウが2回転になってしまい、急きょ3トウループをつけた。最後の3アクセルはきれいに成功させて97.04という高い点が出たときは、本人もちょっと意外そうに笑顔を見せた。

　2回転になってしまったサルコウのコンビネーションですらマイナスのGOEをつけたジャッジが1人もいなかったのは、とっさに質の高い3トウループをつけたためだろう。

「この位置に座っている自分がふがいないです」と会見では沈鬱な表情でコメント。だが観客との距離感について聞かれると、「皆さんが楽しみながら見てくださっているのを感じながら滑ることができました。このプログラムにして良かったなという気持ち」と少し明るい表情を見せた。

　この2日後のフリーでは、これまで見た試合の中でも史上最高レベルの戦いが待っていた。

2日後のフリー。史上2人目の4ループ成功となった宇野。

　トップ3人中、最初に演技をしたのは宇野昌磨である。

　フリーのタンゴメドレーで、かねてから入れると宣言していた4ループを、みごとに成功させた。続いて4フリップ、3ルッツと順調に着氷。後半3アクセルで転倒するも、その後の4トウループの着氷で耐え、続いた4トウループ＋2トウループはきれいに成功させた。だが二度目の3アクセルで再び転倒してしまい、フリー187.77、総合288.05を得た。

　羽生に続く、史上2人目となった4ループの成功については、「練習ではなかなか決まっていない中で、本番で決めることができたのは、降りたいという気持ちの表れだったと思います」と喜びを表現しながらも、こう続けた。

「でも後半で、跳べるジャンプを2つ失敗してしまった。前半の4回転を降りた時点で、3アクセルだから跳べるだろうと思った甘さが失敗につながったと思います」

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