フィギュアスケート、氷上の華BACK NUMBER
四大陸男子でトップ3人が生んだ名勝負。
羽生結弦の貫禄と、才能溢れる若き2人。
posted2017/02/20 12:05
text by
田村明子Akiko Tamura
photograph by
Asami Enomoto
すごいものを見せてもらった。
男子のフリーが終了した直後、それが正直な感想であった。
2018年平昌五輪のテストイベントを兼ねて韓国の江陵で2月14日から開催された四大陸選手権。男子はまさに五輪の前哨戦に相応しい、フィギュア史上に残る戦いとなった。
男子SPは、若手2人がトップに立ち、羽生結弦が3位という、GPファイナルのフリーと同じ順位になった。
トップに立った米国の17歳、ネイサン・チェンは、バレエ音楽『海賊』のSPで4ルッツ+3トウループ、4フリップ、そして3アクセルを成功させた。子供のころからバレエをやっていたというチェンにとって、このバレエの古典は滑りやすいプログラムなのだろう。体のラインをきれいに使い103.12と、史上3人目となる100点超えを果たした。
「このスコアは全米選手権のときの点数に近いもの。あれがまぐれではなく、国際試合でも似たようなスコアを出すことができて嬉しい」とチェンはコメントした。
SP2位となった宇野の演技が、チェンに続き100点超え!
2位は19歳の宇野昌磨だった。
映画『ラヴェンダーの咲く庭で』のサントラ、『ヴァイオリンと管弦楽のためのファンタジー』でラベンダー色のシャツに身を包み、4フリップ、4トウループ+3トウループ、3アクセルを成功。
スピン、ステップもレベルの取りこぼしなくすべてレベル4を獲得し、100.28とチェンに続いて史上4人目となる100点超えを果たした。
「ジャンプはまあ及第点。ジャンプにちょっと集中しすぎて、ジャンプ以外のところは気持ちがいかなかった。でも今シーズン、良くないSPが続いていたので、ほっとしました」と会見で笑顔を見せた。