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中田英寿が送った“2つの助言”。
武藤嘉紀の思考に変化は起きたか。
text by
西川結城Yuki Nishikawa
photograph byAFLO
posted2017/02/10 17:00
アタッカーと司令塔。タイプは違えど、体の強さとスマートな考え方は武藤と中田に共通するものかもしれない。
ブンデスでステップアップするという選択肢。
さらに、中田からはもう一つ、ある助言を伝えられたという。
「ここからキャリアアップを狙う上で、他のリーグを目指すこともいいけど、ドイツの上位クラブにしっかり移籍していくことも大事だと話していた」
中田は現役最後にはプレミアリーグ(ボルトン)でプレーしたが、それ以前は1998年に平塚からペルージャに移籍して以降、ローマ、パルマ、ボローニャ、フィオレンティーナと、セリエAのクラブを渡り歩いた。
イタリア語が堪能になったことで、ピッチ内外でストレスなくサッカーに集中できたことが、彼の経歴を彩っていたことも間違いない。
武藤も現在、ドイツ語を習得中だ。移籍した当初と比較して、会話も飛躍的に上達している。そうした、文武ともに精力的に取り組む姿勢の武藤に対して、中田は自らの経験を照らし合わせたのかもしれない。
チェルシー行きを断ったが、プレミア移籍は“夢”。
かつて武藤は、イングランドでのプレーを将来的に視野に入れていた。
欧州移籍の際、チェルシー行きを断ったとはいえ、ハードワークを連続できる自らのプレースタイルを高めていくためにも、世界一タフなリーグとも称されるプレミアの舞台を目指す気持ちに変わりはなかった。
ただ、今はあらゆる面で一度自分の立ち位置を見直そうとしている。慎重な考え方は、ピッチで結果を出すことで自信に変えていくしかない。その中で武藤の頭には新たな思考が芽生え始めた可能性がある。