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嫌いな男に勝ったIWGP王者の快感。
オカダ、次はタイガーマスクWと対決!?
text by
原悦生Essei Hara
photograph byEssei Hara
posted2017/02/06 17:00
「ボク個人として興味があるのがタイガーマスクW」と試合後に異例のコメントを出したオカダ。
“昭和のプロレス”のように、執拗に続いた足殺し。
鈴木はセオリー通りにオカダの右ヒザに狙いを絞った。
1960年代の昭和のプロレスのようにしつこく、しつこく足殺しは続いた。
鈴木はオカダの足をとっては「折るぞ!」と絞り上げた。手を変え品を変えて、鈴木の足殺し地獄は続いた。足4の字固めまで繰り出してオカダを追い込んでいった。
オカダは苦痛に顔をゆがめたが、我慢した。
耐えた。オカダは耐え抜いてみせた。
不思議だが、あんなに痛かったはずなのに、噴出したアドレナリンのせいなのか、痛みを通り越してしまったのか、オカダは自分が動けることを実感したように動いた。本能で放った4発のドロップキックがそれを物語っていた。コーナーからひざまずいた鈴木に放った跳躍力のある1発は大きなダメージを与えたはずだ。
ジャーマンスープレックスを挟んだ3発のレインメーカーで鈴木を仕留めた。
40分46秒。またしても長い戦いになった。
チャンピオンにしか分からない、快感とは?
「このベルトを持っていることで、つらい戦いもしなきゃいけない。試合前になればなるほど、プレッシャーもかかってきますし、正直、いいことなんて、まったくないんじゃないかなとも思います」
オカダは王者のつらさも吐露した。
「でも、ボクは新日本プロレスを背負ってますんで、このベルトを守っていかなきゃいけませんし。やっぱり、そのプレッシャーのある戦いを乗り越えた後の快感というのは、チャンピオンにしかわからないものだと思います」
オカダは40分46秒の戦いをかみしめるように続けた。