辻直人のB.LEAGUER DIARYBACK NUMBER
Bリーグ人気で殺到する取材……。
川崎・辻直人はどうバスケに臨む?
posted2016/12/28 17:00
text by
辻直人Naoto Tsuji
photograph by
Kiichi Matsumoto
この時期の年末恒例のバスケットボールのイベントといえば、ウインターカップだ。僕も高校2年生からレギュラーとして出させてもらい、2、3年時には2年連続で優勝することもできた思い出の大会だ。
強豪・洛南高校(京都)に入学した僕は、1年生の頃から幸いにも国体やインターハイのメンバーに選ばれるなど、夏ころまでは順調な日々を送ることができていた。しかし、夏の日中韓交流大会の前あたりから雲行きが怪しくなっていった。Aチームはその海外遠征に行くことになっていたが、Bチームからも外れる始末。
そのときは、何をやってもうまくいかなかった。何かしようとすると、すべてミスにつながるという悪循環。どうしたら苦しい状況を打開できるのかを考えたが、そのために何をしたらいいのかが分からない。
なかなか打開策を見つけられない自分自身に苛立った。
6時前の電車に乗り、22時過ぎに帰宅した高校時代。
しかし、それが逆に1つの転機にもなった。
「とにかく練習するしかない」
そう答えを導き出すと、誰よりも朝早く体育館に行き、誰よりも遅くまで体育館に残って自主練習に明け暮れた。それは高校1年の夏から卒業するまで続いた。
毎朝5時40分すぎの電車に乗って京都へ向かい、帰りは家に着くと22時をまわっていることもざらだった。最初の頃は眠くて毎朝きつかった。一度、練習帰りに寝過ごしてしまい、起きたら目の前に海が広がっていたことも(笑)。
今となっては懐かしい思い出だが、3年間は家には“ほぼ寝に帰る”という表現がふさわしいくらい、バスケ漬けの毎日。「もっとうまくなりたい」「もっと試合に出たい」という気持ちが僕を支えていた。