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五輪ゴルフの競技形式、ベストは?
国別チーム戦か、それとも個人戦か。
text by
南しずかShizuka Minami
photograph byShizuka Minami
posted2016/12/25 07:00
リオ五輪で金メダルを獲得した韓国の朴仁妃。母国での人気も、五輪のおかげで一気に高まった。
ひとりしか代表選手がいない国はチーム戦ができない。
有村のみならず、ステイシー・ルイス、セルヒオ・ガルシアら世界のトップクラスの選手を含むゴルフ関係者からも、五輪における競技形式の見直しの声は上がっていた。
「(東京五輪で国別)チーム戦は良いかもしれない。だけど……」
有村の言葉が詰まる。
チーム戦のマイナス面は、その国からただひとりだけ出場しているような選手の出場機会が失われてしまうことだ。
例えば、レティシア・ベックは男女合わせて唯一のイスラエル代表としてリオ五輪に出場していた。
「イスラエルには18ホールのゴルフ場がたった1つしかありません。イスラエル国民に私のプレーを見てほしいし、私が出場することで(外国の方が)イスラエルに興味を持ってくれたら嬉しいです」と世界的に放映される五輪に対して、通常のツアーとは違う期待を寄せていた。
五輪を切望したのは、ゴルフ後進国の女子選手だった。
いくらプロゴルファーといえども、すべての選手の自国で、海外のゴルフツアーが放映されているとは限らない。
たとえ活躍しても、自国にニュースが伝わりづらいということもあるし、自国でゴルフそのものの知名度が低い分、スポンサーもつきにくい、という事情もある。
“五輪ゴルフ”を切実に必要としたのは、男子よりも女子、特にゴルフ後進国の女子ゴルファーだったのだ。
有村は続ける。
「五輪の醍醐味は、アスリートが母国を背負って戦うことだと思うので、たとえチーム戦じゃなくても、男女ペア戦とか、国別対抗戦としてちゃんと分かる形式が良いと思います」