和田「野球の楽しさを再確認できました」

　プロ選手にとっても、野球の競技人口減少の問題はこれから重大な課題として存在感を増してくるだろう。個人的には、昨今のプロ野球の観客動員数の増加が競技人口の問題を感じさせない理由になっているのではと危惧しているが、こういったイベントがあれば、プロ野球選手自身も改めて競技人口について考える機会になるはずである。

　和田がイベントをこう総括している。

「今までも野球教室で教えてきましたけど、教える子どもたちが減っていくという現実もある。今日のような新しいルールとか、新しい考え方を普及させていって、野球をしてくれる子どもが増えていって欲しい。今日のルールの中で、初めて打球を飛ばしたとか、初めてピッチャーをやった子がいたりして、僕自身も野球の楽しさを再確認できました。子どもたちの笑顔をみられたのはよかった。こういったアクションを起こすことですよね。継続していくことも大事なので、大学のOB、後輩たちと協力してこれからも発信していきたいですね」

賛同してくれる他大学とも協力していきたい。

　大渕が起こしたアクションは、野球の普及を目指すうえで、ひとつにスイッチを押したに過ぎない。

「このイベントの価値がどれくらいのものになるかはコントロールできるものではない」と話す一方、大渕は「賛同してくれる他大学の方とも協力していきたい」と希望も見出している。

　ここに点された1つの灯りが、野球界の未来を明るくさせるかどうかは、野球にかかわるすべての者たちの行動ひとつに掛かっている。

　そんなメッセージだったように思う。