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セリエA初得点の地での屈辱と酷評。
本田圭佑は最後通牒を告げられたのか。 

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弓削高志

弓削高志Takashi Yuge

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posted2016/10/28 11:30

セリエA初得点の地での屈辱と酷評。本田圭佑は最後通牒を告げられたのか。<Number Web> photograph by AFLO

この日は白のセカンドユニフォームで戦ったミラン。“ロッソネロ”に身を包んでピッチに立つ本田の姿は、今後見られるのだろうか。

潰れ役だけでは、状況を打破する一撃は生まれない。

 守備の約束事が徹底されなかったのは、いわゆる試合勘の欠如なのか、それとも不得手のイタリア語によるコミュニケーション不足による誤解か。

 あらゆる言い訳は、失点の重みの前では何の意味も成さなかった。

 本田は失点を招いたミスを挽回するようにドリブルでCKを取りにいったり、左サイドからMFボナベントゥーラが放った縦パスを頭で落としてFWバッカへ繋ごうとしたり、トライをくり返した。ただし、“潰れ役”のプレーからは状況を打破する一撃は生まれない。

 若手で固定化していたスタメンから本田とMFポーリのベンチ組2人を入れ変えただけで、ミランのプレーの質はガラリと変わってしまった。チーム全体で共有してきたインテンシティも、プレーのディテールも消え失せてしまったことで、ミランはズルズルと押し込まれた。

本来のスソが投入されると攻撃はペースアップした。

 後半に入り、56分にはDFパレッタが派手なタックルミスをしでかし、一発退場。指揮官モンテッラがDFゴメスを入れ、4-4-1としたことでバランスを取り、ミランはようやく攻撃の形を作り始めた。

 59分、本田は敵陣でこぼれ球を拾った。フェイントで1人目のマーカーをかわした。2人目もかわして左足シュートにもっていくはずが、もたついてジェノアMFベローゾにボールをかっさらわれた。

 本田がFWルイス・アドリアーノと交代させられたのは、その3分後だった。

 チームメイトの誰とも視線を交わすことなく、本田はタッチラインを跨いだ。

 モンテッラは70分に、本来のレギュラーであるFWスソを投入した。ミランの攻撃は明らかにペースアップし、10人とは思えないほどボールは繋がり始め、相手のスペースを突き、シュートを果敢に打った。

 しかし、80分にMFクツカが相手の低空クロスをオウンゴールにしてしまうと、ミランのガソリンはそこで尽きた。ジェノアは堰切ったように再び猛攻を始め、86分にFWパボレッティのダメ押し弾が決まった。

 7試合ぶりの黒星は、ぐうの音も出ないほど完敗だった。

【次ページ】 本田はサッカー界の右も左もわからない若造ではない。

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