イチ流に触れてBACK NUMBER
「相手の心が見えることが多かった」
イチローが今季感じた、密かな幸福。
text by
笹田幸嗣Koji Sasada
photograph byAFLO
posted2016/10/28 07:00
バッターボックスで自分の技術だけでなく、相手投手の心理まで見える。2016年のイチローは、達人の境地へとたどり着いたのだろうか。
「数字を残そうと思えば、脳みそを使わなくては」
3000安打を放った際、イチローはこんな言葉を残している。
「バットを振ること、それ以外もそうですよね。走ること、投げること。全てがそうですけれども、瞬間的に成果を出すことは出来る可能性はありますけども、それなりに長い時間、数字を残そうと思えば、当然、脳みそを使わなくてはいけない。
まぁ使いすぎて疲れたり、考えてない人にあっさりやられることもたくさんあるんですけど、それなりに自分なりに説明はできるプレーをしたいというのは僕の根底にありますから、それを見ている人に感じていただけるなら、とても幸せですね」
2016年オフ。
イチローはちょっぴり優越感に浸りながら、来季への準備をすでに始めている。