フィギュアスケート、氷上の華BACK NUMBER
三原3位、浅田6位、村上10位……。
フィギュアのGP初戦、それぞれの思い。
text by
田村明子Akiko Tamura
photograph byAsami Enomoto
posted2016/10/24 17:30
小学2年生の時に浅田真央を見てフィギュアスケーターを目指したという三原。
ワグナーから三原へ、激励の言葉も。
SPの後には、アシュリー・ワグナーから声をかけられ、演技を褒められたと明かす。
「アシュリー選手から声をかけていただいて、すごく嬉しかったです。トップの選手が話しかけてくれるとは思っていなくて驚いたけれど、すごく優しかった」
中野園子コーチは、「初戦で表彰台に上がれて幸せな子だと思います。でも自分と戦えとずっと言ってきたので、(フリーは)自分では納得がいかなかった。いろんな意味で勉強したと思います」
コーチから見た最大の長所は、癖のないジャンプだという。また1人、将来が楽しみな新星の誕生だ。
「滑り込みが足りない」と吐露した浅田。
浅田真央は、艶やかな赤い衣装に身を包んで登場した。ファリャの『リチュアルダンス』、フリーはオーケストラバージョンである。
余裕の2アクセルを着氷し、3フリップ+2ループもきれいに成功。スパイラルも入れたコレオシークエンスは圧巻で、会場内から大きな拍手が沸いた。だが後半からジャンプが崩れ、いくつかジャンプミスが重なった。浅田は演技後、こう口にした。
「振り返ってみて、まだまだだなという気がします。疲れてくる後半で自分のリズムやタイミングが取れていなかったので、もっと滑り込んでいかないといけないのかなと思う」
「(浅田は)成長している」と断言した佐藤コーチ。
浅田が反省ばかりを口にする一方で、佐藤信夫コーチは「私は前半、久しぶりに良い方向に行ったかなと思って見ていました」とコメント。膝の痛みがぶり返さないように練習を加減していた中で、回復の兆しが見えてきたことを強調した。
浅田本人がSP、フリーともにステップでレベル3だった原因がちょっとわからない、と口にしたことを、佐藤コーチは今回は体力的なところで、動きが小さくなっていたためではないかと分析。ジャンプ以外の表現に関しては、「やあ、うまいなあと思って見せてもらっています。そういうところがはっきりと成長していると思う」と手放しで褒めた。
総合6位という結果で、今シーズンのGPファイナル出場の可能性が低くなったことは、体の負担を考えると逆に幸いだっただろう。
あとは痛みがぶりかえさないよう注意をしながら、シーズン後半までつなげていくことが課題となる。