フィギュアスケート、氷上の華BACK NUMBER
三原3位、浅田6位、村上10位……。
フィギュアのGP初戦、それぞれの思い。
posted2016/10/24 17:30
text by
田村明子Akiko Tamura
photograph by
Asami Enomoto
10月21日、いよいよシニアGPシリーズ開幕。シカゴ郊外ホフマン・エステーツで開催された初戦のスケートアメリカの女子では、サプライズの結果が待っていた。
昨シーズンの世界選手権・銀メダリストであるアシュリー・ワグナーが優勝したのは予想外ではなかったが、2位に全くノーマークだったアメリカの若手、マライア・ベル、そして3位にはここがシニアGPデビュー戦だった17歳の三原舞依が入った。
SP2位で「信じられなかった」と三原。
SPの日、三原はサン・サーンスの音楽に合わせてスピードのある滑りを見せ、切れのよい3ルッツ+3トウループなどをきめた。技術点は全選手の中でもっとも高い、35.72、総合65.75で自己ベストスコアを更新。貫禄の演技を見せたワグナーに次いで2位についた。
「自分が思っていたより良い得点をいただいたので嬉しかった。うそーって感じで信じられなかったです。緊張していましたが、ウォームアップのジャンプでこけてしまって緊張が少し解けたかなと思います」
演技終了後、記者に囲まれてそう語った三原。
ジュニアの大会とどう違うかと聞かれると、「すべてが違う。会場も大きいし観客の声援も大きくて幸せだったと思いました」と笑顔を見せた。
浅田「今できることはやった」
浅田真央はファリャの『火祭りの踊り』などピアノ曲を使った『リチュアルダンス』で、2アクセル、3フリップ+2ループ、3ループを降りた。3フリップが回転不足の判定を受けたが、コンポーネンツはワグナーに次いで2位。総合64.47で5位スタートだった。膝の痛みのために、3アクセルには挑まないとかねてから宣言していた。
「初戦(フィンランディア杯)よりも良かったと思った。自分にできる最高レベルではないけれど、今できることはやったので満足しています」と落ち着いた表情でコメント。ここに来るまで、カナダで振付師のローリー・ニコルと調整をしていたという。
「今シーズンはSPもフリーも同じ曲で、ショートはダークな感じの魔術師を演じている。フリーでは魔術師が鳥にマジックをかけて女性に変えていくので、明日は情熱的な女性を演じて滑りたいです」と笑顔で締めくくった。