フィギュアスケート、氷上の華BACK NUMBER
三原3位、浅田6位、村上10位……。
フィギュアのGP初戦、それぞれの思い。
text by
田村明子Akiko Tamura
photograph byAsami Enomoto
posted2016/10/24 17:30
小学2年生の時に浅田真央を見てフィギュアスケーターを目指したという三原。
村上「不安がそのまま出てしまった」
村上佳菜子は、新プログラム『カルメン』で3フリップ、3+3トウループコンビネーション、2アクセルを降りたが、ジャンプの回転不足の判定が複数あり総合47.87。10位という厳しいスタートに。
だが「厳し目の判定でしたが」と記者に声をかけられると、「厳し目ではなく、そのままだなと思います」ときっぱり。「やっぱり練習でできていないところが不安になってしまって、それが出てしまった。不安があったから緊張につながった。練習はしてきたので、ちょっと悔しいです」
最後までいつもの彼女らしい笑顔がなかった理由を聞かれると「不安が顔に出た。すぐ顔に出るので」と苦笑い。「6分間(ウォームアップ)のときから足ががくがくしていたので、気持ちから来たのかなと思います」と語った。
難病を乗り越えて掴んだ、三原の3位入賞。
三原舞依は『シンデレラ』のフリーで3ルッツ+3トウループなど、6度の3回転をクリーンに着氷。最後のサルコウが2回転になるなど、後半は疲れも見えたが、シニアGP初戦とは思えない堂々とした演技だった。結果は総合3位。9月のネーベルホルン杯の優勝に続いて、2個目のシニアのメダルを手にした。
だが本人は演技に満足していない。
「前半のジャンプはよかったので笑顔になれたけれど、後半で崩れてしまったのが今後の課題。シニアの大会でも気持ちの面では変わらなかったけれど、歓声、会場がすごく大きかったので少し流されてしまった。中国大会では自分に自信をつけて臨めたら良いと思います」
そう語った三原は昨年の12月、「若年性特発性関節炎」という病気に見舞われて4カ月トレーニングができなかった。「ほかの選手と気持ちの面でも体力面でも差がついてしまったと思った」という彼女のみごとなカムバックだった。