村上は「楽しむところまで持っていくことが課題」。

　歌劇『トスカ』でフリーを滑った村上佳菜子は、流れを大きく途切らせることなく滑り切ったが、3ループ、3フリップなどやはりいくつか回転不足の判定が出た。フリー9位、総合10位の結果だった。

「気を付けていながら（レベルの）取りこぼしがあった。（ジャンプの判定については）今日の演技に対しては妥当な感じに思う。あまりよくなかったけれど、これが今の現実。気持ちの面ではショートよりも落ち着いてはいた。でも自信がちょっとなかったというのがフリーの演技にも出ていたと思います」

　夏の間、追い込んで練習をしてきたつらさを引っ張ってしまった、と分析する。

「技術ができていれば精神面は不安でもついてくる。2週間もないですけれど、ちょっとでもよくなってロシアの大会に行けたらいい。楽しめるところまでもっていかなくてはならないなと今回の大会で思いました」と次へ向けての気持ちを語った。

　SP1位だったアシュリー・ワグナーはベテランらしい演技を大きなミスなくまとめて本大会2度目の優勝。

　SP6位だったアメリカの20歳、マライア・ベルが『エデンの東』で会心の演技を見せ、合計6回の3回転を降りて総合2位で初のGPメダルを手に。

　SP3位だったグレイシー・ゴールドは、2度転倒して総合5位に終わった。