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ライバルが語るスラッガー。
菊池雄星が本当に恐れるのは?

posted2016/10/14 07:00

 
ライバルが語るスラッガー。菊池雄星が本当に恐れるのは?<Number Web> photograph by Hirofumi Kamaya

9月28日の日本ハム戦で大谷翔平と投げ合い6回1失点。敗れたものの、規定投球回にちょうど達した。

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Number編集部

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Hirofumi Kamaya

 Number912号「Baseball CLIMAX 2016」では、「ライバル投手が語る“本当に怖い”スラッガー」を掲載。各球団の柱として活躍する、大野雄大(中日ドラゴンズ)、山崎康晃(横浜DeNAベイスターズ)、金子千尋(オリックス・バファローズ)らに、対戦した時“怖さ”を感じるバッターと、その理由を尋ね、特に印象に残っている打席を聞いている。今回は菊池雄星の話を特別にウェブで公開! 彼らはどのスラッガーをあげ、どの勝負を振り返るのか。 

 埼玉西武ライオンズの菊池雄星へのインタビューが行われたのは、9月18日。すでに自身初となる10勝以上をマークし、前日の登板では12勝目を上げていた。だが、球界最速157キロを誇る左腕は、意外にも冷静に自身の投球を振り返った。

「球自体は変わっていませんよ。四球数や被安打数は変わっていないですから」

 本人はそう言うが、今季の菊池はこれまでと違い、年間を通して安定した活躍を見せた。12勝7敗、防御率2.58。開幕投手を務め、チームで唯一、規定投球回を上回った。5月18日から9月17日までの試合では、4カ月間負けなし。花巻東高時代から全国的な注目を集めていた逸材が、ついに才能を開花させたのだ。

 取材の中で明らかになったのは、まずメンタル面での変化だった。

「自分の気持ちの中で、(試合の中で)あえて山場を作るようにしたんです。点を取られたら流れが変わってしまう、という勝負所は1試合で2、3回あると思っています。その山場を、意図的に自分の中に作るようにして、その時に100%の力を出して抑える。ギアを入れる感じですね。そうしていたら、“自分はここで力を出せるのか?”と前向きにピンチを楽しめるようになりました」

 そんな菊池が“怖いバッター”としてあげたのは、千葉ロッテマリーンズのデスパイネだ。

「僕はストレートがウイニングショットなので、速いストレートをホームランにできるバッターが怖いです」

【次ページ】 「自分の真っ直ぐがどこまで通用するか試してます」

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