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イラク戦直前、香川真司インタビュー。
アジア最終予選2戦の課題とこれから。
text by
了戒美子Yoshiko Ryokai
photograph byAFLO
posted2016/10/04 17:00
新しい戦術を模索中と言われるドルトムント。どんな状況になったとしても、香川の存在は必ずドルトムントの勝利に寄与するはずだ。
「精神的な切り替えはできている」
――外野からの批判がある一方で、ハリルホジッチ監督から篤い信頼を感じます。例えばタイ戦、主力である清武選手や岡崎選手を先発から外す中、変わらず先発起用されました。
「自分に対しては、期待してくれていたり、ドルトムントでやっていることへのリスペクトを感じてくれているのかなと思います。
チームでもトップ下のポジションに対しては要求も多かったり、トップ下のポジションが本当にキーになるんだと監督は常々言ってくれているので、僕はそれに応えていきたいと思っています。監督もそれだけの信頼を示してくれているので、自分自身それをピッチで表現していくしかないなと思います」
――外野の心配は必要ない、と。
「もちろん緊張感を持つ必要はありますけど、次の試合まで不安を抱えていてもしょうがないので、僕はドルトムントでやるべきことをやり続けて10月の試合で必ず勝つことが大事。勝つために何をするかだけなので。だから早く試合をしたいですね」
――なんだか、明るさを感じます。
「精神的な切り替えはできていると思います。最終予選もまだあと8試合、1年かけて戦います。しっかり勝ってW杯に行くことが大事なので、考え方は常に前向きになるようにしています」
ブンデスリーガも最終予選もまだ始まったばかり。落ち込み、無駄に苦しむ必要も皆無。置かれている状況はいたってシンプルで、とにかく前を向いて進むべし。そうやって香川は今、苦境を乗り越えようとしている。