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2戦連続MOMで大フィーバー中。
原口元気の意外なマメさと野望。
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byAFLO
posted2016/09/22 11:30
ゴールを演出する役割を果たしているだけに、次に原口が必要としているのは今季初ゴールである。
「連戦に耐えられる力をつけなければいけない」
そんな原口なら、ヘルタがELの予備予選3回戦で敗れた現実をもプラスに変えていくのかもしれない。
「もちろん、ELに出たかったですよ」
そう話した上で、原口はこう続けた。
「個人的にも、(運動量を求められる)ヘルタのプレースタイルを考えても、やはり最後まで頑張って走りきらないとチームは勝てない。そう考えると、もう1回、チームとして力をつける必要があるし、自分も連戦に耐えられるだけの力をつけなければいけないな、と。オレらはキツい練習をしているけど、その間に(CLやELに出るような)他のチームは試合をしているわけで……」
そうした発言が安易なポジティブ思考とかけ離れているのは、原口は周到な計画性とともに取り組んでいるからだ。
“原口ノート”はコンディションを保つための記録。
例えば、原口は自らのトレーニングを細かくノートに記録している。どういうトレーニングを、どのようにやったか。あとですぐに見返せるようにしているという。それだけではなく、コンディショニングに関しても同様にしっかりと記録して、改善や工夫を重ねている。
「コンディショニングについても、今は相当気を使ってやっていますね。例えば、交代浴を何分やったかなども記録していますし。以前はトレーニングをしても、やりっぱなしの状態でした。ただ、トレーニングの負荷が上がったことによって、ケアをしないと、チームのトレーニングが出来なくなってしまうようではダメ。やはり、良いトレーニングをするためには、良いコンディショニングをしないといけないから」
原口と同様に個人トレーナーをつけ、長期的な成長を遂げるために熱心に取り組んでいる香川真司からの話も、状況を前向きにとらえるヒントになった。香川はヨーロッパにやってきてから、全てのシーズンでヨーロッパのカップ戦とリーグ戦を並行して戦っている唯一の選手だ。