ぼくらのプロレス(再)入門BACK NUMBER
中邑真輔とケニー・オメガは裏表?
「外国人選手」という枠は消えた!
text by
堀江ガンツGantz Horie
photograph byEssei Hara
posted2016/09/19 07:00
後藤洋央紀との死闘を制し、G1史上初の外国人王者となったケニー・オメガ。9月22日には、YOSHI-HASHIとのIWGPヘビー級王座権利証争奪戦に臨む。
ケニーのG1制覇と中邑のNXT王座はコインの裏表だ!
冒頭で「外国人選手のリーグ戦優勝は、新日本の歴史でアンドレ、ホーガンに続く、3人目の快挙」とは書いたが、いまの新日本プロレスにおいて、レスラーを日本人と外国人に分けること自体がナンセンスなのかもしれない。
ホーガン、アンドレの時代とは違い、ケニーは新日本の年間契約選手。棚橋弘至やオカダ・カズチカ、内藤哲也らと同様、フルタイムでセルリアンブルーのリングに上がる、“新日本のトップレスラー”だ。
ましてや、いまの新日本の闘いは、日本のファンだけに向けられたものではなく、ネット配信などを通じてグローバルな世界市場を相手にしたプロレス。そこには、もはや日本人も外国人もない。本隊の棚橋、CHAOSのオカダ、ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンの内藤、そしてバレットクラブのケニーがいるだけだ。
すでに20年以上前から世界市場を相手にしているWWEでは、とっくの昔にアメリカ人も外国人もない。先月、中邑真輔がNXT王座を奪取したが、これは日本人レスラーうんぬんではなく、中邑の実力がそのままWWEで認められた証であろう。中邑のNXT王座奪取と、ケニー・オメガの『G1』制覇は、コインの裏表なのである。