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フィギュア、シーズン開幕直前情報。
チャンのコーチ辞任、ロシア選手の不安。 

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田村明子

田村明子Akiko Tamura

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photograph byYohei Osada/AFLO SPORT

posted2016/09/12 11:00

フィギュア、シーズン開幕直前情報。チャンのコーチ辞任、ロシア選手の不安。<Number Web> photograph by Yohei Osada/AFLO SPORT

今年2月の四大陸選手権でのチャンと、コーチのキャシー・ジョンソン。ちなみにチャンは、過去には日本人コーチの指導を仰いだこともある。

では、チャンの次のコーチは誰になる?

 8月末にカナダのトロントで行われたカナダ連盟主催の強化合宿の最中に、チャンは次のコーチを特に急いで探す意志はないことを明らかにした。

「1人で氷の上にいるのは、とても新鮮な感覚です。これまで多くのコーチからたくさんの情報を与えられて消化してきたけれど、自分にとって何が最善なのかじっくり考えている余裕がなかった。(中略)自分はもう25歳の大人なので、自分の面倒をみることはできると思っています」

 現在カナダスケート連盟のディレクター、マイケル・スリップチャックらと相談しながら、何人かのコーチを候補に考えているという。

「でもまだ間違いなくこの人、と思っているコーチはいない」というチャンは、10月はじめにフィンランドのエスポーで開催されるフィンランディア杯に出場することを予定している。だがその試合に、次のコーチを同行しないこともあり得るという。

「今の優先事項は、まず新しいプログラムを披露して手ごたえを得ること」とチャン。

「あまりあれもこれもと自分の気持ちを拡散させずに、とりあえず目の前の練習に集中したいと思っています」

 チャンは2010年1月、バンクーバーオリンピックの1カ月前にもコーチのドン・ロウズが突然辞任し、振付師のローリー・ニコルがコーチとしてバンクーバーに同行した経緯があった。

 次の平昌オリンピックまではまだ1年半あるが、チャンがいったい誰をメインのコーチに選ぶのか、関係者たちは興味深く見守っている。

「今季は競技活動を休む」(ボロサジャル&トランコフ)

 一方、1年のブランクを経て昨シーズン競技に復帰してきたソチオリンピックペア王者、タチアナ・ボロサジャル&マキシム・トランコフは、「フレンズオンアイス」の出場で来日した際に、今シーズンは競技に出ない予定であることを筆者に個人的に語ってくれた。

「今、ロシアはごたごたしていて、何がどうなっているのか自分たちは混乱している。この状況が落ち着くまで、自分たちは試合に出たくないと思っている」とトランコフ。

 ごたごたしている、とは、もちろんWADAの報告書に関するソチオリンピックのドーピング問題のことを指しているのだろう。

【次ページ】 ロシアのドーピング問題は、まだまだ終わらない。

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