フィギュアスケート、氷上の華BACK NUMBER
フィギュア、シーズン開幕直前情報。
チャンのコーチ辞任、ロシア選手の不安。
posted2016/09/12 11:00
text by
田村明子Akiko Tamura
photograph by
Yohei Osada/AFLO SPORT
すでにジュニアGPシリーズもスタートし、シニアもいよいよ本格的な新シーズン開幕が間近となった。スケーターたちの新しい近況報告も、いくつか入ってきた。
中でもサプライズは、パトリック・チャンのコーチ、キャシー・ジョンソンが辞任したことだろう。
ダンサー出身だったチャンのコーチ。
キャシー・ジョンソンは元コンテンポラリーダンサーで、スケート出身のコーチではない。元々コロラドのリンクでスケーターたちのダンスコーチをしていた当時、そのリンクでクリスティ・クラールとトレーニングをしていたチャンの指導に関わるようになった。
だが2012年世界選手権直後にクラールが辞任し、ジョンソンがメインのコーチに就任。それから4年間、チャンの唯一のコーチとしてソチ五輪にも同行した。
彼女がスケート出身ではないことで様々な批判も受けたが、その一方でダンスに造詣の深い彼女の指導により、チャンは体の使い方を調整して4回転の着氷率が安定したこともあったという。
双方が沈黙を保つチャンのコーチ辞任の内幕。
米国フィギュアスケート連盟と提携するウェブ媒体、アイスネットワークに発表されたジョンソンのステートメントは、以下のようなものである。
「私は大変に心の痛む決意をしました。8月15日付けで、カナダスケート連盟にチャンのコーチを辞任することを届け出ました。過去4年間、彼と共に成し遂げた成功を大変誇りに思うと同時に、彼の今後の幸運を祈っています」
2人の師弟関係に一体何があったのか、その詳細についてはジョンソン側もチャンのほうも沈黙を保ったままである。
5月にチャンは、ジョンソンと一緒にバンクーバーに練習拠点を移すと発表されていたが、ジョンソンの辞任によってそれも現在保留状態となった。
チャンは2013年の夏からデトロイトスケーティングクラブでトレーニングしてきたが、この夏、同じくデトロイト近郊のカントンにあるアークティックエッジアイスアリーナにトレーニング拠点を移したという。