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「日本のために遼とゴルフをしたい」
松山英樹が直に口説いたW杯出場。
text by
桂川洋一Yoichi Katsuragawa
photograph byAFLO
posted2016/09/09 11:00
2013年の全米ゴルフ選手権練習ラウンドでの一コマ。石川と松山の関係性は一言で表現しきれないものだ。
「周りが思うほど深い意味はない」というが。
時節柄、日本代表という話であれば当然、リオ五輪の問題が松山には付きまとう。
松山には自身の、サポートスタッフの健康と安全を思って五輪代表を辞退したことに後悔はないが、負い目は少なからずあった。メジャー自己最高の4位に入った7月末の全米プロ。日本で多くの人が称賛した。だが当の本人の受け止め方は違った。「僕は『どうせオリンピックにも行かないやつが……』と言われているはずだ」と、思い込んでいたのだから。
五輪とワールドカップの出場は、別の次元として進めてきた話ではある。ただ、出場した理由、石川を選んだ理由を追究すればするほど、言葉はシンプルに、そして自然と力がこもった。
「周りが思うほど深い意味もないんですよ。単純に、日本のゴルフのために遼とやりたかった。それだけ。それ以外にない」
過去57回の開催を誇るワールドカップで、日本は過去2度の優勝を誇る。2002年には伊澤利光と丸山茂樹がメキシコ大会を制し、その後の時代を力強く牽引した。
石川遼と“普通に”プレーすることで、“普通ではない”ことが起こりうる――松山英樹がいま信じるのは、そんな夢に満ちた可能性である。
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