リオ五輪PRESSBACK NUMBER
リオでベスト8の渡嘉敷来夢が残した夢。
「2人揃えば東京五輪でメダルが取れる」
posted2016/09/05 17:00
text by
矢内由美子Yumiko Yanai
photograph by
JMPA
光り輝くリオ五輪の日々が、いまだ昨日のことのように思い返される中、バスケットボール女子日本代表“アカツキファイブ”の一員として大健闘のベスト8入りを果たした渡嘉敷来夢(シアトル・ストーム)は、すでにWNBAでの戦いを再開させている。
リオ五輪が閉幕してからわずか5日後の8月26日にリーグが再開してから、9月2日までの間に4試合に途中出場し、1試合平均約15分間のプレータイムで平均8.5点というスタッツ。特に、2日のシカゴ・スカイ戦では今季自己最多タイの15得点を挙げ、存在を大いにアピールした。
すると、この好調ぶりが認められ、9月4日(日本時間5日)のアトランタ・ドリーム戦では今季初めて先発に抜擢された。そして、珍しくセンターのポジションでのプレーでありながら約28分間の出場で8得点、7リバウンドの数字を残し、チームの91-82の勝利に導いたのだ。
「吉田亜沙美さんと私、2人のラインは世界に通用する」
思えば、リオ五輪の準々決勝で米国に敗れた後、渡嘉敷はすがすがしい表情でこう話していた。
「今回は本当に楽しめた。WNBAで試合に出られていない分、試合がこんなに楽しいんだと思えた」
この言葉が示すように、今季前半はチームに大型新人が加入したことによって出場時間が大幅に少なくなっていたが、リオ五輪でつかんだ自信によって闘争心に油が注がれたことが、出番を増やす原動力となっているようだ。
しかし、彼女をパワーアップさせているのは闘争心だけではない。渡嘉敷はリオ五輪で新たな“使命”を感じ取っていた。
「吉田亜沙美さんと私、2人のラインは世界に通用すると思った。ここが日本の武器になる。ここを強くすることでメダルを狙える」
米国に敗れたリオでの夜。悔しさの中にも力強く語る渡嘉敷の表情は、やる気と希望に満ちあふれていた。