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KD移籍でサンダーの名コンビ解散。
ウェストブルックの更なる進化に期待。
text by
長澤壮太郎Sotaro Nagasawa
photograph byGetty Images
posted2016/09/06 11:30
8月4日にサンダーと契約延長のサインを交わした後、ファンに報告するウェストブルック。
デュラントに続いてウェストブルックも都会へ出る?
デュラントの移籍を受け、メディアはこぞって来季自由契約になるウェストブルックの移籍先やトレード話で盛り上がった。
サンフランシスコというビッグマーケットにスターを奪われたオクラホマのファンは、ロス出身で都会っ子のウェストブルックも、ここを捨てて派手な街へ行ってしまうのではないかと懸念した。
球団側もFAで何の見返りもなく移籍されてしまうことが2年連続で起こるという失態は絶対に避けなければいけない。移籍先の様々な憶測が飛び交う中、7月4日のデュラントの発表から1カ月経ったとき、沈黙を続けていたウェストブルックが大方の予想に反してサンダーとの契約延長を発表した。
トレード期日や自由契約の時期よりかなり前倒しでの契約延長を発表した経緯を聞かれた彼は、「18歳の時からこの球団と街に育てられた。良い時も悪い時も僕をサポートしてくれた場所、ここ以外に居たいと思う場所はないし、忠誠心は僕にとって大事なこと。それを示す最高のチャンスだった」と答えた。
得点王4回の選手を失ったが、類まれな結束力が生まれた。
デュラントの移籍でファン同様傷ついていたウェストブルックは、水面下で球団と密にコミュニケーションをとりチームの解体を防ぐべく動いていた。
チームメイトも彼に賛同し、アダムス、カンター、ロバーソンは、ウェストブルック中心に一丸となって戦う意思を表明した。新加入のオラディポも早々にウェストブルックとトレーニングを開始している。
4度の得点王に輝くデュラントを失ったことはチームにとって痛手だが、今のサンダーは過去にない結束力があるように見える。長年デュラントとウェストブルックのプレイスタイルが噛み合うかどうか、どちらがチームのエースなのかに焦点が当てられてきた。しかし今は窮地に追い込まれたチームに忠実だったウェストブルックを中心に、メンバーの気持ちがまとまっている。