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DeNAが“Aクラス常連”になるために。
ラミレス監督が語る終盤戦の指針。
text by
日比野恭三Kyozo Hibino
photograph byYDB
posted2016/09/05 11:00
就任1年目ながら奮闘しているラミレス監督は、12球団で唯一果たせていないCS進出を成し遂げられるだろうか。
キーマンは難しいが、あえて一人挙げるならば……。
ただ、4位につけるヤクルトは1ゲーム差、5位の阪神とも3ゲーム差と、最低3位の座は安泰とは決して言えない状況だ。残り20試合を切った今、指揮官が考えるキーマンは誰なのか。
「1人だけ名前を挙げてほしいと言われると非常に難しい。得点して勝つためには最低でも4人の打者が必要だし、3人のピッチャーに安定して投げ続けてもらわないと連勝にもつながらない。そういう意味では井納(翔一)にステップアップしてほしいなと思う。10勝はできる力があると評価しているので(現在6勝)、残りの先発のチャンスを生かしてほしい」
気の早い話だが、仮にCS進出となれば、ファーストステージでは巨人と、ファイナルステージでは広島と対戦する可能性が濃厚だ。現段階で、巨人には12勝10敗1分、広島には直近の3連敗があったものの10勝13敗と対戦成績は拮抗している。
勝機はあるのか? ずばり尋ねると、ラミレスは戦う相手だけでなく、球場との相性という要素を加味して言った。
「マツダスタジアムにはいいイメージを持っている」
「もちろん、勝機はあると思っている。ただ理解しておかなくてはいけないことは、3位で終わった場合は東京ドームで巨人と戦うということ。それは厳しい戦いになるだろう。巨人に勝ってファイナルステージに行った場合は、マツダスタジアムで戦うことになる。うちの選手たちは(8月下旬時点で)2割8分以上、チームとして打っているし、ホームランも14本ほどあるので、選手たちは非常にいいイメージをもってプレーすることができる。何よりも大事なことはファーストステージを越えていくことだと思っている」
2勝6敗1分と分が悪い東京ドームでの巨人戦が鬼門となるが、そこを越えれば広島での決戦は5勝7敗という過去のデータから五分に渡り合える。そしてその先に、険しいながらも1998年以来の日本一への道は開ける――。