リオ五輪PRESSBACK NUMBER
史上最多7種目、日本新はいくつ?
16歳・池江璃花子はセンスの塊。
text by
矢内由美子Yumiko Yanai
photograph byJMPA
posted2016/08/08 17:00
泳ぐたびに日本新記録。池江本人は「緊張していた」というが、それは彼女にとってほどよい緊張感だったのかもしれない。
史上最多の7種目出場、どんな結末が?
今回、100mバタフライは自身にとって「一番メインの種目」であり、相当な重圧があった。だが、その種目を終えたことでプレッシャーからは解放された。
「感じていたプレッシャーも少しは減ると思うので、この後のレースではリラックスして泳げるのではと思う」
池江は、初日に出た4×100mリレー予選でも日本(内田美希、池江、山口美咲、松本弥生)の一員として日本記録を更新している。
リオでは今後、50m、100m、200m自由形、4×200mリレー、メドレーリレーにも出るが、今の勢いがあれば、史上最多の7種目に出場する中でいくつの日本記録をつくるのだろうという期待は膨らんでいく。
身体をどう動かすか、というセンスが大きな武器。
リオデジャネイロ五輪を目指し、国立スポーツ科学センターでナショナル合宿を行なったときのこと。背泳ぎの選手が新たなスタートフォームを習得すべく、練習を繰り返していたが、なかなかマスターできずに苦しんでいたとき、横で見ていた池江が試しに挑戦してみるとすぐにできてしまった。
このエピソードに象徴されるように、池江は身体の使い方が抜群にうまく、飲み込みが早い。たぐいまれな上半身のパワーもさることながら、この運動センスが池江の大きな武器となっているのだ。
リオデジャネイロ五輪で描くシンデレラストーリーがどれほどの輝きを放つものになるのか。答えが出るのはすべての戦いが終わったとき。誰もが想像していなかったような結果が待っているかもしれない。