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2戦2敗のドゥラメンテに雪辱を。
宝塚記念、キタサン&武の戦略は?
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph byEiichi Yamane/AFLO
posted2016/06/25 08:00
春の天皇賞を制した際、馬主・北島三郎氏から「武さんが『まつり』を歌います!!」と洒落で振られていたが、今度勝ったら……。
打倒ドゥラメンテのための、武の戦略は?
直線の短い内回り、重くなりそうな馬場といった舞台設定から、昨年の菊花賞と今年の天皇賞・春を制したキタサンブラック(牡4歳、父ブラックタイド、栗東・清水久詞厩舎)が押し切るシーンも充分あり得る。
前述したように、ファン投票で堂々1位。馬だけではなく、オーナー(北島三郎)と騎手(武豊)も「見たい」と多くのファンに思わせてのトップ獲得だろう。
中間はビシビシ鍛えられ、絶好の2枠3番を引いた。武が乗るようになってからの過去2戦は逃げているが、もちろん番手からの競馬もできる。
対ドゥラメンテは皐月賞(3着)とダービー(14着)で2戦2敗だが、充実期を迎えた今なら逆転可能だ。
おそらく武は、ドゥラメンテを負かすことが自身の勝利に直結すると考え、一気にかわされないよう、後ろから来るドゥラメンテになし崩しに脚を使わせる流れをつくる。スタミナを生かしたロングスパートをかけ、ドゥラメンテが得意の左手前でトップスピードに乗ったときにはゴールしている、といった競馬をすると思われる。
シュヴァルグラン、ラブリーデイらも期待十分。
ここに来ての成長度という点では、阪神大賞典を勝ち、天皇賞・春で3着に来たシュヴァルグラン(牡4歳、父ハーツクライ、栗東・友道康夫厩舎)も負けていない。
ディフェンディングチャンピオンのラブリーデイ(牡6歳、父キングカメハメハ、栗東・池江泰寿厩舎)も、香港からの遠征帰りだが、力を出せる状態にある。
また、菊花賞を勝ったとき以来、久々につづけてレースを消化できているトーホウジャッカル(牡5歳、父スペシャルウィーク、栗東・谷潔厩舎)が「復活」の気配を漂わせているだけに、怖い。